それでは私が仕様変更している例で紹介します。
例1
使用用途 ソーラーカー 2駆動
仕様 ブラシレスDCモータ
一個定格 480[W]
巻線 6直2並
ターン数(巻数) 30[T]
極数 36スロット
巻線径 φ1.0
無負荷回転数 800[rpm]
トルク定数 1.2[T/A]
スロットに巻ける面積 15mm*300mm
基本的にはモータは巻線を巻くと低回転、高トルク、巻線をほどくと高回転、低トルクになります。
現状から高回転で高トルクが欲しい欲張りなあなたは出力を大きくするか効率を上げなければ基本的には変わ
りません。
では具体的に変更したい仕様[例2]を使って説明します。
例2
無負荷回転数 700rpm
例2の仕様を満たすには例1の無負荷回転数800[rpm]から100[rpm]落とさなくてはなりません。 巻線はターン数を1/
2にすると回転数は2倍になります。逆にターン数を2倍にすると回転数は1/2になります。
例1の無負荷回転数800[rpm]と例2の無負荷回転数700[rpm]の比率を計算し巻線倍率を算出します。
800/700=1.142
となり、巻線倍数1.142倍という定数がわかります。これに現在のターン数を掛けます。
1.142*30[T]=34.28[T]
少数は四捨五入され34[T]ということです。
ここで算出されたターン数を例1の巻線径と直並列で巻けば多分・・・700rpmのはずです。
巻数以外を変更すると回転数が変わるので注意してください。
回転数を変更したら次はトルク変更です。
基本的にブラシレスDCモータは電流を流せば流すほどトルクが発生します。勿論、電流が流れても巻線が燃えるま
でしか回せないですし、電磁鋼板が磁気飽和したり、巻線の銅損失などで正確な特性は一次式ではありません。
基本的には上限の電流値を設定しなくてはなりません。ソーラーカーではバッテリーの放電容量やブレーカー容量に
あわせます。
例として上限電流30Aのモータだとします。
ソーラーカーで鈴鹿サーキットを走行する場合、コースの最大勾配8%を最大負荷と決め
出力設計値の決め方で予め、ある速度で進入した時に、どれ位トルクが必要か計算しておきます。
現在のモータのトルク定数を例1の1.2[T/A]ならば上限値電流値の30[A]とトルク定数を掛けると最大出力トルクが算
出されます。
1.2[T/A]*30[A]=36[N]
36[N]にタイヤ半径を掛けて単位を[Nm]にして出力設計値と比較します。例えば出力設計値が30[Nm]なら例1の仕様
で問題ないと思います。もし負荷トルクがモータの最大出力トルクを上回る場合、回転数を落とすような設計をしてくだ さい。
あああ疲れてきた・・・トルク側で設計して変更するのはあまりしないので暇があったら分かりやすいように書き足しま
す。
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